なつのおくりもの|中恵光城|なつくもゆるる OP主題歌

2013年発売

『なつくもゆるる』は、すみっこソフトより2013年6月28日に発売されたPCゲームです。
主題歌「なつのおくりもの」は、歌を中恵光城さん、作詞を木緒なちさん、作曲・編曲をnaotyu-さんが手掛けています。

一見すると学園モノの日常コメディに見せかけながら、実は本格的なSF・ループものとして展開していく作品。
前作『はるまで、くるる。』とほぼ同スタッフによって制作されており、同傾向のテイストを持っています。

楽曲基本情報

作品名なつくもゆるる
発売日2013年6月28日
曲名なつのおくりもの
歌唱中恵光城
作詞木緒なち
作曲・編曲naotyu-
ブランドすみっこソフト

『なつくもゆるる』の特徴

  • 日常コメディに見せかけて本格SF・ループものへと展開する構成
  • 周回ごとにヒロインのルートを掘り下げつつ、世界観の謎を少しずつ開示
  • 「自殺病」など不穏な要素を序盤から散りばめた伏線設計
  • 前作『はるまで、くるる。』譲りのボケ多めな会話劇

主題歌ムービー

投稿主レビュー

一見コメディ寄りの学園モノに見えますが、読み進めるうちにサスペンス的な緊張感が顔を出し、
やがて本格的なSFを題材にしたループものであることが明らかになっていく作品です。
世界観や謎が少しずつ開示されていくタイプの面白さが好きな人には、一定以上刺さる内容だと思います。

構成としては、周回ごとにヒロインの誰かのルートに入り、そのキャラクターの個性や事情を掘り下げながら、
作品全体の謎へと迫っていく形式。攻略順は固定で、実質的に一本道のシナリオです。

序盤は全寮制の学園を舞台にした夏休みの日常が中心で、主人公・当麻進と親友の舜、先輩のりねが所属する
生物部の掛け合いや、妹の姫佳、生徒会長のユウリを交えたコメディ調のやり取りが軸になります。
一方で「自殺病」といった不穏な用語や、場面転換時の不気味な時計演出など、
ただの日常モノでは終わらない気配も序盤から漂っています。

周回が進むにつれて正体不明の脅威が姿を現し始め、二周目以降は主人公の過去や世界の秘密が徐々に明かされていく展開に。
周回ごとに結末だけでなく途中経過や開始時点の状況にも変化が生まれる、ループ物ならではのミステリアスな面白さがあります。
終盤に近づくほど設定のシリアス度も増し、SF設定としての作り込みには読んでいて感心させられました。

一方で、キャラクターがシリアスな場面でもボケを挟みがちな会話劇のクセは健在で、
話が本題に入る前にワンクッション挟まれることが多く、これがテンポの停滞につながっている部分もあります。
終盤は謎解きの説明パートが長く続く場面も多く、内容自体は興味深いのに、
読んでいて中だるみを感じる瞬間があったのは少し惜しいところでした。

それでも、設定の緻密さや周回ごとに深まっていくキャラクターとの関係性は見応えがあり、
前作の雰囲気が肌に合った人であれば、手に取る価値のある一本だと思います。

ゲームあらすじ

ヒッポカムポス機能不全およびBDNF発達障害。
通称、自殺病。
簡単に言ってしまえば自殺する可能性が高くなる病気。
壁川学園は、この病を発症もしくは発病前の学園生達を集めた、全寮制の学園。

学園生達は夏休みの間、実家に帰ることが許されているのだけれど……。
新型咽頭結膜熱に感染してしまった当麻進は、病気から回復後も体内にウイルスが残っている可能性がある、という理由で2週間の外出禁止を命じられてしまう。

当麻進と同じ理由で学園に残ることになったのは、
同室で人妻好きの三田舜。
スコップを振り回す狭霧紫穂。
生物部長の水名りね。
会長の鹿島ユウリ。
それと、
遊びに来ていて感染の疑いありと判断された妹の当麻姫佳。
合計6人。

2週間の外出禁止期間を学園内でそれなりに楽しく過ごしていた6人だが、ある日の夜、停電が発生。
停電の理由を探している中で、学園から教師も寮監も保健の先生もカウンセラーも、6人以外の全員が消えていることに気付く。
しかも、電気だけじゃなくて、ガスも水道も停止。

6人は壁川学園の隣にある、壁川町へ出かけるが、そこで見たものは、誰もいない廃墟と化した街だった。

いったいここで何がおこっているんだろう?
どうしてこんな場所に自分達は取り残されたんだろう?

調べていく中で少しづつわかっていく世界の秘密。
自殺病の本当の意味。
重力の異常。
狂っていく時間。

夏休みの学園で見つけた、世界の終わり。
少しも嘘なんかじゃない、本当の世界の終わり。

そして、世界の終わりを許さない、
少年と少女達の物語。

「なつのおくりもの」の聴きどころ

夏の終わりを思わせる情感豊かなメロディに、中恵光城さんの伸びやかな歌声が重なる一曲。
作品のノスタルジックな雰囲気とSF的な切なさを、歌詞・メロディの両面から丁寧にすくい取っています。

『なつくもゆるる』とは?

日常コメディの体裁を取りながら、周回を重ねるごとに本格的なSF・ループものへと姿を変えていく作品。
前作『はるまで、くるる。』と同スタッフによる制作で、伏線の張り方や独特の会話テンポなど、
同じライターならではの持ち味が随所に感じられます。

  • 周回ごとに深まる謎とキャラクターの関係性
  • 生態系や自殺、宇宙規模へと広がっていくスケールの大きいシナリオ
  • 前作から改善されたグラフィック・CG面のクオリティ
  • ボケ多めな会話劇によるテンポの緩急(賛否あり)

ゲーム購入について

本作はダウンロード販売サイトにて配信されています。

関連リンク

まとめ

『なつくもゆるる』は、日常コメディの装いの下に本格SF・ループものを潜ませた意欲作。
周回を重ねるごとに深まる謎と、緻密に練られた世界観が魅力の一本です。

テンポ面でクセがある部分はあるものの、伏線が丁寧に張られたシナリオと、
夏の終わりを思わせる主題歌「なつのおくりもの」の情感が、作品全体の余韻を支えています。

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